#178箱目:サンエイムック「GP CAR STORY Vol.33:ティレル020・ホンダ」


季刊で発行されている「GP CAR STORY」シリーズ。
1980年後半~90年代にかけてF-1ブーム絶頂期を体験した世代には堪らない雑誌です(新刊が出る度に毎回言っている気もしますが:苦笑)。
今回のお題はこちら↓
・ティレル020・ホンダ

日本人初のF-1ドライバー中島 悟さんの最後のマシンという事もあり、色々な意味で思い出深い車です(悪い方が多いですが:涙)。

前年のティレル019は空力に優れた「コルセアウイング」&「素直な操縦特性」を持った名車でしたが、非力なフォードDFRエンジンのパワー不足が弱点でした。
そこに前年度のチャンピオンエンジン「ホンダV10」が新たに加わると聞けば、誰しも期待が膨らんでしまいます。

特に1990年鈴鹿では鈴木亜久里が表彰台に上っていたので、中島さん贔屓の私としては「今年こそは表彰台、あわよくば優勝??」と妄想していました。

まあ、結論だけ言えば「30キロ以上も重いホンダエンジンを積むのにほとんど対策をしていなかったシャシー&ギアボックス」のお陰でバランス悪化&メカニカルトラブルでリタイアの連続。
そして先行投資に渋るケン・ティレルに愛想をつかして、デザイナーのハーベーイ・ポスルズウェイト博士&空力のスペシャリスト、ジャンクロード・ミジョーの離脱で開発が進まない等の不運が重なります。
(後日、ハーベーイ・ポスルズウェイト博士は戻ってきてティレル022という名車を作るのですが、それはまた別の話)
中でも期待に胸膨らませてブラバムから移籍してきた、ステファノ・モデナの落胆の記事は涙を誘います(悲)。

そんな中、今シーズン限りの引退をドイツGPで発表した中島さんの最後の鈴鹿は、ステアリングシャフト折損によるクラッシュであっけない幕切れとなりましたが心に残る名シーンでした。
因みに本戦の方はセナが3度目のチャンピオンを獲得したのですが、最後にベルガーにわざと優勝を譲るという何とも気分の悪い幕切れでした・・・(流石に温和なベルガーも憮然とした表情の表彰台でしたが)。
なお、中島さんの引退と共にたった一年でホンダとの提携解消、メインスポンサー・ブラウンの撤退となってしまいます。

そんな散々なティレルチームですが翌年はタイヤをグッドイヤー、エンジンをイルモアV10に替えて意外と好走。
(何で中島さんの乗るタイミングだけピレリに替えるかなぁ・・・まあ、ケンおじさんが金に目がくらんだだけですが)
その翌年、片山右京が乗った時には流石に戦闘力不足でしたがヤマハV10エンジンを無償で獲得し翌年に繋がる展開でした。
余談ですがティレル020Cはハセガワさんからキット化されています。
ダメダメだったジョーダン・ヤマハもキット化していたりと、この頃のハセガワさんのF-1アイテム選択運の無さも際立っていましたね(涙)。

余談ですが、ティレル019をデザインしたジャンクロード・ミジョーがフェラーリに在籍したままならコルセアウイングのフェラーリが作られていた&ティレル在籍ならダブルデッキのF92Aデザインなティレルが作られていたという記事はちょっと面白かったです。
F-1キットが入手困難なのが難点ですが、「ifバージョン」を作ってみたいですね。

そんな色々な意味でメモリアルな「ティレル020・ホンダ」のキットがタミヤから発売されています。

いつも活躍した翌年の車をキット化して「コレジャナイ」感が多いタミヤのアイテム選択(苦笑)ですが、このキットに関してはナイスタイミングでした(中島さんのラストマシンという意味で)。

ホンダV10(中島スペシャル)やコルセアウイング等、流石のタミヤクオリティです。

手持ちキットが発売当初(1991年)の物だったので、後日タミヤ・アフターサービスでデカールを手配しています(当時の自分グッジョブ!)。

この頃はイラストカタログが同梱されているのが良いですね。

価格等がビックリするくらい安くて、驚いてしまいます。
(¥1000以下の商品が多い!)
残念ながら今はほとんど廃版になっていますが、タミヤさんには定期的に再生産して欲しいですね(価格が高めでも構いませんので)。
取り敢えずGP CAR Storys発刊に併せた車種を御願いしますね<(_ _)>