「旧車」カテゴリーアーカイブ

#174箱目:サンエイムック「GP CAR STORY Vol.32・ロータス107フォード」


F-1ブーム最盛期の名車を一台に絞って特集してくれる名著「サンエイムック・GP CAR STORY 」の最新作が刊行されました。
若干、価格が高くなりましたが税込み¥1300でこの内容はとてもお買い得です!
(某大日本絵画の別冊は内容は良くて欲しいのですが高すぎて手が出ません:涙)
・「GP CAR STORY Vol.32・ロータス107フォード」

ロータスと言えば、「グランドエフェクトカー」のロータス78&79や「アクティブサスペンション」のロータス99T、そして日本人初のF-1ドライバー「中島悟さん」等、フェラーリと並ぶ老舗F-1チームです。
市販車部門でも「サーキットの狼」でおなじみの「ロータス・ヨーロッパ」、「007シリーズのボンドカー」の「ロータス・エスプリ」等メディアへの露出も多く、「フェラーリ」、「ランボルギーニ」、「ポルシェ」と並んで日本でも有名なコンストラクターだと思います。
F-1では「セナ+紅白マクラーレン」が一番人気だと思いますが、フェラーリと並びそれに次ぐ人気のレジェンドF-1チームだと個人的には思います。

しかし、失敗作「ロータス・ホンダ100T」から坂を転がるように没落していき、1990年末にはチーム存続の危機を迎えます(個人的に100Tは歴代マシンの中でも最高に格好良いマシンだと思うのですが・・・結果さえよければタミヤ1/12が出ていたはずなので本当に残念です:号泣)。
まあ、同じエンジンを積んでいるマクラーレン・ホンダMP4/4が無敵の16戦中15勝、かたやピケの3位が最高&中島さんがモナコ&デトロイトで予選落ちになる位差があったので、翌年のホンダエンジン喪失はやむ負えないところでしょうが・・・。

そんな中、ピーターコリンズ&ピーターライトを始めとする「クラシック・ロータスメンバー」によるロータス再興&終焉の物語がこの一冊に収められています。

旧型の「ロータス102Bジャッド」はもっさりとしたマシンでしたが、鈴木亜久里が3位入賞した「ラルース・ローラLC90ランボルギーニ」をデザインしたクリス・マーフィーによる新車「ロータス107フォード」は本当に格好良く美しいデザインです。
マクラーレン・ホンダMP4/7がウイリアムズ・ルノーFW14Bにコテンパンにやられている1992年、余り話題になりませんでしたがミカ・ハッキネン&ジョニー・ハーバートロータス107の活躍は目覚ましく翌年の完全復活は目前だと当時思いました。
しかし、予算が無いのに翌年フルアクティブにまた挑戦して失敗、更にその次は無限ホンダエンジンと契約して形勢逆転を目指すも「重い&バランスの悪い」エンジン(一応、89&90年チャンピオンエンジンのはずなのですが:汗)によるシャシーバランス悪化→結果低迷&まさかのロータス破産によるチーム消滅になってしまいました(トホホ)。

歴史にifは有りませんが、「フルアクティブに舵を切らずセミオートマ開発&身の丈に合ったチームにしていれば!」、「ホンダの傘下になって参戦していれば日本人ドライバー達の受け皿となって活躍できたのに!」等と夢想してしまいます(いや本当に:涙)。
当時は「無限ホンダエンジンを積むので来年は戦闘力アップ!」と単純に思っていたのですが、実際には重量バランスの悪化等、色々問題山積みでむしろコンパクトな「フォードHB」の方が良かったのは今回初めて知りました。
(今思えばマクラーレンもホンダV12からV8のフォードHBに変えたMP4/8でバランスが改善し大活躍していましたし)

次号予定の「ティレル・ホンダ020」もフォード・コスワースエンジンからホンダエンジンに変更で重量バランスが悪くなって活躍できなかった車でしたね・・・この時フォードHBエンジンだったら中島さんの表彰台もあったかも!(いやマジで)
前年の鈴鹿で鈴木亜久里が3位表彰台に上り、中島さんも「今年こそは俺も!」と意気込んだ年だっただけに失望も大きく、引退を決断する原因になった車だけに次号でその謎についての解説が待ち遠しいところです。
(そういった意味ではロータス・ホンダ100Tも特集して欲しいなぁ~)

そんなifの世界を感じさせてくれる今回の特集でしたが、巻末にロータスとタミヤの繋がりが掲載されています。
少なくとも私にはF-1と言えば「フェラーリ」か「ロータス」(後はタイレル6輪:笑)だったので、懐かしさを感じましたね(残念ながらほとんどが生産休止ですが:大汗)。
そんな郷愁を感じてしまうロータス末期ですが、タミヤがスポンサードしたおかげで思いのほかキットが発売されています。
・ロータス107Bジャッド

正直、「流石にこのキットは売れないでしょ」と当時思いました(苦笑)。
カラーリングが昔のウイリアムズFW07の「サウジ航空(白地にグリーン)」みたいであまり好きでは無かったですが、ミカ・ハッキネンの意外な活躍で後半戦ではスポンサーも色々と付いて中々格好良くなりました。
・ロータス102Dフォード

ジョニー・ハーバートの加入&フォードHBエンジン獲得により戦闘力アップ。
日本スポンサーもたくさん付いてカラーリングも派手になりました。
塗装済みドライバー&タイヤが付属したり、ドライバー別に2種キットがリリースしたりとスペシャル感満載でしたね~。
個人的にはノヴァエンジニアリングの森脇さんが1989年F-1ブラジルGPの冒頭ドライバー解説でコメントしていた「今年の注目はジョニー・ハーバートですね!」が印象的だったので、ジョニー車を購入しています。
(まさかミカ・ハッキネンが後日あんなに化けると思わなかったので:苦笑)

キット内容は前年のロータス102Bのカラーリング替えかと思いきや、エンジン換装による変更部分をきっちりに新規製作するところは流石タミヤです!
(左が102Bで右が102D、エンジン&マフラー、吸気トランペット等が新規パーツに代わっています→金型改修した??)
・ロータス107フォード

そして本命キットです。
格好良くて当時購入してすぐに作り始めたのですが、カラーリングが複雑で挫折、28年間手が止まっています(大汗)。
因みにこの頃のタミヤキットはデカールが「薄くて透ける」弱点がありますが、

後年発売されたスタジオ27さんのオプションデカールを購入&同梱されていました。
(完全に忘れていました・・・当時の自分グッジョブ!:笑)
残念ながらこれらのキットは現在生産休止中なのですが、タミヤさんのF-1キットは名作が多いのでスポット生産を切に願うところです。
(ぼったくり価格で出品されている方が多いので、タミヤさん前向きに検討を御願いします<(_ _)>)